日光を浴びるとよく眠れる理由
日光を浴びると、夜ぐっすり眠れるようになります。
睡眠障害に陥ってる時は、体内のいろいろなものが乱れています。
それは生活リズムであったり、ホルモンバランスであったり、自律神経であったり。
かくいう私も、不眠症に陥っていた時期があり、その時の精神状態や肉体面は過去最悪でした。
ちょっと歩くだけで息切れしたり、些細なことでイライラしたりと感情のコントロールが難しかった思い出です。
これじゃダメだ!と思い立ち、睡眠改善のためさまざまなことを試した中、これは効果があるな、と感じたものの1つが日光浴です。
とはいっても、長年睡眠障害で苦しまれた方は、本当に日光浴程度で治るのか?と思われるかと思います。
そこで、この記事では過去に行われた"洞窟隔離実験"という実験をもとに、いかに日光を浴びることが大事かを語っていきます。
起きたら体を動かし、日光を浴びてご飯を食べる。
人間が本来持っている自然なリズムに身を任せることで、睡眠は改善されます。
※睡眠時無呼吸症候群による睡眠障害の方を除く
日光を一切浴びなかったらどうなるのか
洞窟隔離実験という実験がありました。
一人の女性が、日の光も音も届かない洞窟で生活したら一体どうなるのか?というものです。(生活必需品はあったが、時計はなし)
女性は4ヶ月間の洞窟生活を終えて帰還しましたが、その4ヶ月間の間にさまざまな体調の変化がありました。
具体的な症状
- ・最初の2週間は朝7〜9時に起きていたが、実験が続くにつれズレていき、最終的には夜8時に起きるなど、睡眠のリズムが乱れた
- ・30時間起き続ける日などがあった
- ・行動するまでの時間が長くなり、無気力気味に
- ・感情のコントロールが難しくなった
この体調の変化から、太陽が私たちの体に与える効能を読み解いていきます。
睡眠リズムが乱れる
この中で注目してほしいのは、睡眠のリズムが乱れたというところ。
なぜ乱れたのか?というと、日光を浴びなかったからです。
人体には、日光を浴びてから14-15時間後に眠たくなるというメカニズムがあるのですが、女性は1日中日光を浴びなかったので睡眠リズムが乱れに乱れました。
上の図がまさに眠たくなる仕組みです。
ここでは
セロトニンは覚醒・リラックスのホルモン
メラトニンは睡眠を促すホルモンだと覚えておいてください。
そうすると、
日光を浴びる→セロトニンの分泌(覚醒、リラックス)
→セロトニンが夜にメラトニンを分泌(眠たくなる)
の構図が見えてくると思います。
実際、真夏のビーチに行った帰りなどに、強烈な眠気を覚えたことはありませんか?
あれは遊び疲れた疲労以上に、いつもより日光を浴びたことで大量のセロトニンが分泌され、メラトニンがドバドバ放出されたからです。
実験に参加した女性は日光を浴びなかったので、セロトニンの分泌が少なくメラトニンもあまり分泌されませんでした。
洞窟内は朝と夜がないので、体のONとOFFをいつ切り替えたらいいのかもわからなくなります。
結果的に、生活リズムが乱れ、そこから自律神経なども乱れていきます。
体内時計が乱れる
太陽があるから、いつ活動したらいいかがわかる
太陽が上ると、頭が冴えて自然と活動する時間だと感じませんか?
大昔、私たちの祖先は狩りをして過ごしていましたが、その狩りの時間は決まって朝から夕方の間でした。
それは、夜真っ暗になってから狩りをすると、夜目が利かず何もないところで転んだり獲物を見失ったりと不利だからです。
この狩猟生活はかなり長い年月の間続き、日中活動する習慣が私たちの脳の奥深くに刻み込まれました。
実験に挑戦した女性が、1日30時間も起きたりしていたのは、太陽がなくなった影響でいつ活動していつ休めばいいか?がわからなくなったからです。
具体的に、熟睡するにはどうしたらいいか
では実際に、ぐっすり眠るにはどうしたらいいのでしょう?
簡単です。
日中に日光を浴びればいいのです。
具体的には、
・起きてから日光を5〜30分浴びる
・心地良さを感じながら日光を浴びる
を実践すると効果的です。
日光を5〜30分浴びる
- ・ベストライン:肌の60%(顔、腕、足)を露出して20〜30分ほど日光を浴びる
- ・最低ライン肌の30%(顔、手、腕)を露出して5〜10分日光を浴びる
を実践してみると効果を感じられるはずです。
日光浴に際は、できるだけ肌を露出させながら、できれば肘や膝の裏をめがけて日光を当てましょう。
肘や膝の裏は血管が皮膚の近くを通っていて、より効果的だからです。
(画像、グロく感じたらすみません)
あまり日光を浴びすぎると、また別の問題(肌へのダメージや皮膚がん)の心配があるので、日光浴の時以外は日焼け止めを塗るなどをして対策することをおすすめします。
ただ、1日5-30分程度の日光浴なら肌へのダメージや皮膚がんを気にすることはありません。
日光浴・ビタミンDの権威、マイケル・ホリック博士も
- ・肌が明らむほどではなく、健康的な小麦色に焼ける程度のレベルで、皮膚がんの発症率が上がった科学的なデータはない
と言っています。(s)
実際、1日30分の日光浴で皮膚がんになってたら、太古の人類は皆皮膚がんにかかっていたと思います。
心地良さを感じながら日光を浴びる
心地良さを感じながら日光を浴びるのは、とても大切です。
なぜなら、その心地良さがセロトニンが分泌されている証拠だからです。
先ほど説明したように、セロトニンが沢山分泌されればメラトニンも増え、夜により眠気が強くなったり深い睡眠を得られたりします。
実際、日光を浴びれば自然と心地良いと感じるはずです。
ただ、過度なストレスを長期間受け続けた方などは、セロトニンの神経自体が弱りその心地良さを感じられない可能性もあるので、何日かかけて気長に実践するのをおすすめします。
日光を浴びて心地良いかどうかが神経回復のサインと見ましょう。
もし眠れなくても、「多分大丈夫だろう」の精神で
睡眠は、「意識すればするほど眠れなくなる」というめんどくさい性質を持っています。
「よし!今から寝るぞ!」なんて意気込んでいたら、眠気はビビって逃げてしまいます。
なので。「意識しつつも意気込まない」くらいの精神でいるのが正解です。
私もよくこの罠にかかっていました。
すぐ改善しようと焦らず、一歩ずつの精神で日光浴などを実践していけば睡眠は改善されていくはずです。
以上が、日光を浴びるとぐっすり眠れる理由の全てです。
この記事が睡眠で悩まれている方の参考になれば幸いです。
3行まとめ
- ・日光を5〜30分浴びる
- ・心地良さを感じながら浴びる
- ・ストレスが多い人は何日かかける